テレ朝プロレス総選挙に思う
2017年3月13日未明、テレビ朝日系列で放映された
「史上初!現役・OBレスラー200人&ファン1万人が選ぶプロレス総選挙」
深夜帯ながら平均視聴率4・8%を記録した。
それだけ話題になったことから、放送時間やランキングについて、ネット上で賛否両論が巻き起こっているらしい。
というのも、放送時間は本来12日午後8時58分から放送予定だったのが、同局系で生中継されたWBC・オランダ代表戦が延長11回にもつれ込んでしまったため、13日の午前0時13分スタートとなったからだ。
“プロレスのゴールデンタイム復活”とプロレスファンの期待をあおっていただけに、そのショックは大きかったようだ。
まあ、現代においてオンタイムに観られなかったとはいえ、本当のプロレスファンなら当然録画をしているはずなので、番組放送時間に関してはこの際どうでも良い。
問題は総選挙のランキングだ。ランキングは以下の通り。
(1)アントニオ猪木、
(2)ジャイアント馬場、
(3)初代タイガーマスク、
(4)オカダ・カズチカ、
(5)力道山、
(6)棚橋弘至、
(7)ジャンボ鶴田、
(8)獣神サンダー・ライガー、
(9)三沢光晴、
(10)スタン・ハンセン、
(11)長州力、
(12)武藤敬司、
(13)小橋建太、
(14)天龍源一郎、
(15)ケニー・オメガ、
(16)橋本真也、
(17)蝶野正洋、
(18)ハルク・ホーガン、
(19)真壁刀義、
(20)アンドレ・ザ・ジャイアント。
この記事を書いている私は正直言うとプロレスファンでもなんでもない。
1980年あたり、当時小学生だったが、ちょうどプロレス全盛期だっただろうか?
まさにヒーローだった。
今はプロレスファンではないが、当時はプロレス中継がゴールデンタイムに放送されていたこともあり、当然ながら徳山市体育館に見に行った。
徳山市の商店街ではサイン会も行われて、
の三人がサイン会でサインと握手をしてくれたことをよく覚えている。
サインは三列とも並んで三人のサインをもらったが、握手は恥ずかしくて坂口征二だけしてもらった。
とにかく手が大きいという印象が今でも記憶に残っている。
一緒に行った親戚のオジサンの1.5倍はデカかった覚えがある。
さて、ランキング結果だが、アントニオ猪木が1位である。
昭和のプロレス全盛期のファンならさぞ喜ぶ順位だろうか。
番組を見ていて1位の発表が近づくに連れ、
「やっぱ猪木が1位じゃね〜の?」
という雰囲気が漂っていた。
ここ何年もプロレスを観なくなった私ですら、1位の予測は容易だった。
果たしてこれが良かったのだろうか?
昭和のプロレス全盛期のファンは納得するかもしれないが、現在の熱狂的ファンにとってアントニオ猪木の存在はどうなのだろう?
別にアントニオ猪木が悪いわけでもないし、私にとっては今でもヒーローであることに変わりはないし、アントニオ猪木が嫌いということではない。
1995年まで現役だったのでそこから20年も経っているのである。
いつしかプロレス中継は夜中にひっそりと放映されるようになった。
プロレス総選挙を行って、その1位が20年前までのヒーローでは駄目なのではないか?
4位のオカダ・カズチカや、6位の棚橋弘至といった現役の選手が1位2位に君臨するくらいでないと駄目だと思う。
そう考えるとこの番組自体どういうコンセプトで放映しようとしたのかが気になるところだ。
「昭和のかつてのファンが見て、納得の1位に酔いしれると共に、現役の選手の事も認識してもらいたい」
なのか、
「現在の熱狂的プロレスファン(プ女子含む)も往年のファンも納得できるランキングを!」
なのかよくわからない。
結局この番組を通して何が伝えたかったのだろう?
もう一度番組タイトルを振り返ってみよう。
「史上初!現役・OBレスラー200人&ファン1万人が選ぶプロレス総選挙」
ファン1万人が選ぶ………
現在の熱狂的ファン1万人なのか、5千人くらいは往年ファンも入っているのか?
それによっても順位が変わるのでは?
現在の熱狂的ファンが選んで1位が現役選手だったらどうだろうか?
昔のファンであれば、
「アントニオ猪木を差し置いて1位になる現役選手ってどんなにすごいのだろう?」
と、ならないだろうか?
どちらにせよよくわからない番組であったと思う。